二上山―それは大阪府太子町と奈良県葛城市・香芝市にまたがる、その名前から分かるとおり二つの頂を持った太子町のシンボルといえる山です。大阪側に位置するのが雌岳(約474メートル)、奈良側に位置するのが雄岳(約517メートル)で、古代にはこれら二峰を男神と女神に見立てて「二神山(ふたがみやま)」とも呼ばれていました。しかし、いつしか「神」と同音の「上」が当てられ、「二上山(ふたかみやま)」と表記されるようになり、ついには「二上山(にじょうざん)」と呼ばれるようになったとされています。

二上山の南西には万葉の森が広がっており、雌岳山頂まで続く道中には奈良時代に作られたとされる、石窟寺院である岩屋や鹿谷寺などの史跡が点在しています。また、雄岳山頂付近には葛木二上神社や若くして謀反の罪をきせられ死罪になったとされる大津皇子の墓があるなど、歴史にあふれています。

山頂に至るまでの代表的なルートには、国道166号線沿いに位置する万葉の森登山口からスタートし、舗装された道を進みながら展望台や万葉広場を抜け雌岳山頂に到達するルートや、近鉄二上山駅を降り、上ノ池横登山口から登り銀峰山頂またはベンチが並ぶ六合目を経由し雄岳山頂に到達するルートなどがあります。ルートによってそれぞれ異なった一面を見ることができるので、景色や風景を楽しみながら登山することができます。特に前者のルートは舗装された山道が続いており、小一時間程度で山頂まで登ることができ、初心者にもおすすめのルートになっています。

週末に歴史と自然を楽しみながら山登りをしてみるのもよいのではないでしょうか。ぜひ、一度二上山に足を運んでみてください!